ディップコートの品質向上を目指し、液だれなどのトラブル解消に意欲的な方へ。
ディップコート処理で液だれが発生し、製品の外観不良や歩留まり低下の課題を抱えているのではないでしょうか。
均一なコーティングを実現し、品質向上とコスト削減を実現したいあなたのために、ディップコート処理における液だれ防止の対策として、引き上げ処理のテクニックを紹介します。
誰でも実践可能な具体的な方法と注意点、さらに膜厚調整の知識まで解説します。
ディップコート液だれ防止!引き上げ処理の重要性
ディップコート処理で発生する液だれの原因は、主に以下の2つが考えられます。
1:ワークの形状
複雑な形状のワークの場合、液が溜まりやすく、液だれが発生しやすくなります。
2:引き上げ速度
引き上げ速度が速すぎると、液がワークに付着したまま引き上げられてしまい、液だれが発生します。
逆に、引き上げ速度が遅すぎると、膜厚が薄すぎて適切な膜形成が出来ない場合があります。
引き上げ処理は、ディップコート処理において、液だれを防止するために非常に重要な工程です。
適切な引き上げ処理を行うことで、均一なコーティングを実現し、製品の品質向上に貢献することができます。
また、液だれによる歩留まり低下の防止にも繋がり、コスト削減にも貢献します。
液だれを防ぐ!引き上げ処理のコツ
液だれを防ぐためには、適切な引き上げ処理を行うことが重要です。
引き上げ処理には、大きく分けて2つの方法があります。
1:通常の引き上げ処理
ワークを液面に対して垂直に保持させ、液中に浸漬したのち、液面の揺れが収まってから垂直方向に引き上げを開始します。
2:傾斜引き上げ処理
ワークを傾斜させて浸漬または引き上げることで、浸漬・引き上げ時のエアーの巻き込みや液溜まりを解消することができます。
それぞれの方法には、メリットと注意点があります。
1:通常の引き上げ処理
メリット:
操作が簡単で、誰でも簡単に実施できる。
注意点:
ワークの形状によっては、液だれが発生しやすい。
均一な膜厚を得るためには、適切な引き上げ速度を調整する必要がある。
2:傾斜引き上げ処理
メリット:
複雑形状のワークでも、液だれを抑制することができる。
均一な膜厚を得ることが容易。
注意点:
操作に慣れが必要。
ワークの形状によっては、適切な傾斜角度を見つける必要がある。
さらに、液の粘度や引き上げ速度によっても膜厚が変化します。
液の粘度が高いほど、膜厚は厚くなり、液の粘度が低いほど、膜厚は薄くなります。
また、引き上げ速度が速いほど、膜厚は厚くなり、引き上げ速度が遅いほど、膜厚は薄くなります。
目的の膜厚に合わせて、液の粘度と引き上げ速度を調整することが重要です。
まとめ
ディップコート処理における液だれ防止には、引き上げ処理が非常に重要です。
液だれを防止するためには、ワークの形状や液の粘度などを考慮し、適切な引き上げ方法を選択することが重要です。
引き上げ処理の方法には、通常の引き上げ処理と傾斜引き上げ処理があります。
それぞれの方法にはメリットと注意点があり、ワークの形状や目的に合わせて適切な方法を選択することで、均一なコーティングを実現することができます。
当社は、ディップコートのフロントランナーとして、最先端のディップコーティング技術を駆使し、さまざまな用途に対応するより安全・安心な高性能ディップコーターを提供しています。
独自の技術開発により、精密面精度や耐薬品性を考慮した特殊機構の装置もラインナップしています。
また、オプション製品やカスタマイズ対応が可能で、顧客の多様なニーズに応える柔軟性が強みですのでご相談ください。