ディップコーティングは、液体を基材に浸漬することで均一なコーティングを形成する技術です。
製品の機能性や耐久性を高めるために、最適な膜厚を得ることが重要ですが、膜厚は粘度によって大きく影響されます。
そこで、この記事ではディップコーティングにおける粘度調整について解説していきます。
ディップコーティングにおける粘度調整の重要性
ディップコーティングにおいて、粘度調整は、目的とする膜厚を実現するために非常に重要です。
粘度とは、液体の流れにくさを表す指標であり、ディップコーティングでは、液体の粘度によってコーティング膜の厚みが大きく変わります。
1:粘度と膜厚の関係
粘度が高くなると、液体は流れにくくなり、基材に多く付着するため、膜厚が厚くなります。
逆に粘度が低くなると、液体は流れやすくなり、基材に付着する量が少なくなるため、膜厚が薄くなります。
2:粘度調整の必要性
製品の用途や要求される性能に応じて、最適な膜厚は異なります。
例えば、防錆コーティングの場合、厚い膜厚が求められますが、光学コーティングの場合、薄い膜厚が求められます。
このように、目的とする膜厚を実現するためには、適切な粘度に調整する必要があります。
粘度と膜厚の関係:最適な粘度設定とは
最適な粘度設定は、ディップコーティングの速度、液体の種類、基材の形状など、さまざまな要因によって異なります。
1:粘度測定方法
粘度測定には、粘度計を用いる方法が一般的です。
粘度計には、回転式粘度計、振動式粘度計、毛細管粘度計など、さまざまな種類があります。
適切な粘度計を選択し、正確に測定することが重要です。
2:粘度調整方法
粘度は、溶媒の添加や温度調整によって調整することができます。
溶媒の添加は、液体の粘度を下げる効果がありますが、コーティングの性能に影響を与える可能性があります。
温度調整は、液体の粘度を変化させる効果がありますが、温度変化が大きい場合は、コーティングの均一性に影響を与える可能性があります。
3:粘度調整の限界
粘度調整は、ディップコーティングの速度、液体の種類、基材の形状など、さまざまな要因によって限界があります。
例えば、液体が非常に粘度が高い場合は、溶媒の添加や温度調整だけでは、目的とする粘度に調整できない場合があります。
このような場合は、液体の種類を変更したり、ディップコーティングの方法を変更したりする必要がある場合があります。
まとめ
ディップコーティングにおける粘度調整は、目的とする膜厚を実現するために非常に重要です。
粘度と膜厚の関係を理解し、適切な粘度設定を行うことで、均一なコーティングを形成することができます。
ただし、粘度調整には限界があることを理解し、必要に応じて、液体の種類やディップコーティングの方法を変更する必要があることを覚えておきましょう。
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